秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。



マンションまでたどり着き、車のドアを開けると痛いような寒い空気が体を刺した。

思わず二人で身震いしながら、急ぎ足で部屋まで向かう。

部屋に入っても当然寒いままで、急いでストーブをたいて部屋を暖めた。

本当は暖房の方が速く暖まるんだろうけど、柊ちゃんは暖房の熱気が苦手なのだ。

ストーブの前に手を出して手を暖める。

‥あれ、そういえば柊ちゃんどこいったんだろ、もうお風呂入っちゃったのかな?

そんな事を思った時だった。

「‥‥‥わぁっ!?」

後ろからバサっと何かを被せられた。

思わずストーブにぶつかりそうになるのを、強い力でぐっと引かれて免れる。

「柊ちゃん!びっくりしたぁ~。もうお風呂入っちゃってるのかと思ったよ」

振り向くと、いたずらな顔をしてニヤっと笑う柊ちゃん。

被せられたのは、
敬老の日に二人でふざけて買ったちゃんちゃんこで、柊ちゃんもおそろいの青のちゃんちゃんこを羽織っていた。

これがけっこうあたたかくて、
二人とも夜は毎日これを着て過ごしている。

和風だったり一般的な家だったらまだわかるけど、こんな高級マンションの部屋でちゃんちゃんこを着ている柊ちゃんは、冷静になるとなんだか面白かったりする。
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