日本一のヤクザの娘に愛された男の話 妄想

マキと私



マキを初めて見たとき





この人だ





という感動的な出会いではなかった






ふーん




そんな感じだ





バカにしてる訳ではなく






同じクラスメイトであって、同じ寮生




それだけだ





そう、彼女も通学圏外から来た寮生である






この時はまだ気にも留めていなかった私





彼女は違った!



ある日突然、寮のピロティで彼女に呼び出された




私は『???』だった




どうやら付き合ってほしいとの事だった




そんな彼女の想いとは裏腹に私は



???


だった




よくわからなかった




それまで話したこともなく、同じクラスメイトで同じ寮生って事以外に接点がなかったからだ





だが、これをキッカケに接点が生まれた





大事なことを忘れるところだった



私の返事はノーだった




最初の頃は。






しかし、その後もマキに会いたいといわれれば、寮の放送室で会った




たしか、ピノキオの本を読んでくれた




なんだか照れ臭い気持ちになって




すぐ席を離れたくなった




その本は今も持っている





持っているというより、最近おばあちゃんの家で見つけた





マキとは放送室で時々あった



ある日、マキがチェリオのソーダとサイダーを持ってやっきた事があった



『どっちがいい?』


私『どっちも好きじゃない』



マキ『うちの組では人気なんだけどなぁ』



私『うちの組?同じクラスじゃなかったけ?』


マキ『あぁ、そうそう』




マキは慌てていた




それもそのはず



うちの組みとは、日本一のヤクザ、山田組の事だ




この時の私はただ、マキが言い間違いしただけだと思っていた




その後、特に何を話したかは覚えてないが




ロシア語のティシャツを着ていたのは覚えている



そのティシャツに書かれている言葉の意味は





『春は仲良しの季節』



その、ティシャッツには猫のカップルがイチャイチャしてる絵がプリントされており



春はそういう事をする季節って意味だ




と聞いた




ちょうどその頃は入学当初、春だ


そして、



『私たちも子づくりしよう♡』


『いつも私の写真でオナニーしてるでしよ?』


マキに言われた





後者は図星だった





なんで知ってるんだ??




そう思った





そして何より、急に恥ずかしくなってその場を離れた




後で知った事だが、マキが寮生として入寮するにあたり、我らが図南寮には全室に隠しカメラや盗聴器が仕掛けられていたのだ




そんな気配は全くなかったので、今でも信じられない





なん度もベッドでしこっていたのをマキに見られていたのかと思うと顔が真っ赤になりそうだ




ちなみに私は小麦色の色黒だ









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