雪のなかに猫




慌てて着替えた私達は2人を中に招きお互い向かい合ってソファーに座る。




誠さんは不機嫌で、誠さんの前に座る達也さんは真っ青を通り越し真っ白な顔をしている。



それと真逆な達也さんの隣に座る女の子は嬉しそうに私を見つめている。




「達也……言い残すことは?」



「ご、ごめんなさい誠様!!妹がどうしても命の恩人に会いたいと聞かなかったんだよ!俺はとめたぜ、寝てないから昼過ぎぐらいか明日にしろって。でも言い出したら聞かないんだよこいつ。」



「お姉様!お姉様が命をはって私の命をお守り頂いたこと感謝してます!!どうか、どうか私を1番初めの妹にしてくださいっ!!あ、でも……お姉様でしたら他に妹分がいてもおかしくない………でも、でも綾……お姉様の妹分になりたいのです!!」




いや、まて、なぜ私がお姉様?それに妹分て何?色々わかんなくなってきた。




パニクってると誠さんが私の頭を撫でる




「達也、お前言ってないのか?」



「言った。綾華……遥ちゃんは誠の職業を知らねーって言ったろ?それに自己紹介はどうしたんだ」



「はっ、そうでした……誠さんごめんなさい。遥姉様……私、西条達也の妹、西条綾華(さいじょうあやか)と申します!この度は遥姉様に私の命を守ってもらって光栄です。」



「うん。お姉様とか、妹分とか、色々わかんないけど……命を守った……とか言われるほどの事じゃないと思うよ?」



「まぁ!遥姉様ったら!美しい上に凛々しいお方なのですね!!綾……遥姉様に惚れそうです……」




「よし、達也。妹連れて退場だ……明日からは来なくていい。」




「なっ!いや、え!俺関係なくない!」




誠さんも誠さんだけど……達也さんの妹さん……綾華ちゃんだっけ?この子も色々とおかしくない?と思いながらも1番おかしいのは私か……と心で笑っていた。




「と、とりあえず……帰るぞ綾華!遥ちゃんに会えたんだからもういいだろ?」



「いやです!いやですお兄ちゃん!!綾、遥姉様と遊びたいです!!」



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