雪のなかに猫
あれ?いつの間に寝たんだろ……そう思いながらも辺りを見回すとテレビは消えていてコーヒーの匂いがする。匂いがする方を見ると誠さんが座っていて難しい顔で書類を見ていた。
「んん……おかえりなさい……」
「ん、あぁ、ただいま。起こしちゃった?もう少ししたら部屋に運ぼうと思ってたんだけど……」
そう言って書類から目を離してわたしを見る。
「ご飯食べた?」
私がそう聞くと食べてないと答えるから立ち上がりキッチンに行き作っておいた軽い食事をチンして出す。
「え?作ってくれたの?」
「ん、久しぶり……だから味は保証しない……」
「……ありがとう。いただきます。」
「……どうぞ、それと……お風呂……あっためて来る。」
「え?いいよ、眠いなら先に寝て?」
大丈夫。と、フラフラする足取りで風呂場に行こうとしたがフラッとしてこけそうになる私を誠さんが支えてくれた。
「ほんと、危ないから寝なさい。」
そう言って抱えられて部屋に連れていかれ布団に入れられる。布団から出ようとしても止められる……何回か繰り返したかと思えば……誠さんは溜息をつき
「もう。言うこと聞けないなら……お仕置き……」
そう言ってキスをする……その行動に私は固まるしかなくそんな私を見て誠さんは笑いながらも部屋から出て行ったのだった。
その日私は寝れなかった。