七色ペンダント

そして事件は起きた。
それは真夏の暑い夜だった。



昼過ぎ、私は廊下の掃除をしている時に、今朝行った八百屋さんにお財布を忘れてしまった事に気付いた。



うわっ!!いけないっ、土方さんに叱られる!!



私は急いで八百屋へ向かった。



「すみません!!お財布.....」



「あ!!ねーちゃん!来ると思ってたぜ!財布忘れちゃーいかんぞー」



「はい!!ありがとうございます!」



お財布を受け取ると、立ち去ろうとする私を、八百屋のおじちゃんは止めた。



「ちょっと待った!!これ、やるよ!」



渡されたのは新鮮で大きな大根と白菜。



「えぇ?!いけませんよこんなに」



「いいんだよ、いつものお礼だ」



「えぇ、じゃあ遠慮なく...ありがとうございます!」

< 49 / 185 >

この作品をシェア

pagetop