七色ペンダント
そして事件は起きた。
それは真夏の暑い夜だった。
昼過ぎ、私は廊下の掃除をしている時に、今朝行った八百屋さんにお財布を忘れてしまった事に気付いた。
うわっ!!いけないっ、土方さんに叱られる!!
私は急いで八百屋へ向かった。
「すみません!!お財布.....」
「あ!!ねーちゃん!来ると思ってたぜ!財布忘れちゃーいかんぞー」
「はい!!ありがとうございます!」
お財布を受け取ると、立ち去ろうとする私を、八百屋のおじちゃんは止めた。
「ちょっと待った!!これ、やるよ!」
渡されたのは新鮮で大きな大根と白菜。
「えぇ?!いけませんよこんなに」
「いいんだよ、いつものお礼だ」
「えぇ、じゃあ遠慮なく...ありがとうございます!」