35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「どこに行ってきたの?」
鼓動が早くなる。彼から身を引いて声を出した。
「ああ、悪い。酒臭いよな」
私が離れたのはお酒臭いからだと思ったらしい。
「で、どこに?」
「麻布のクラブ。あ、もう少ししたら出掛けるからさ。果菜はゆっくりベッドで寝てていいから。休日なんだからな」
え?
「もう出かけるの?」
「そう」言いながら寝室に入って行っってしまった。
クローゼットのドアを開ける音がしてどうやら着替えをしているらしい。
睡眠とお風呂は済ませて来たから着替えだけでいいってこと?
ラグに座り込んだまま立てずにいると、着替えた貴くんが出てくる。
「麻布のクラブにはシャワーやベッドがあるの?」
真顔で問いかけると貴くんの瞳が大きく揺れるのがわかった。
「果菜」
「知らないボディーソープの香りをさせて朝帰りされたら気になるよね。毎晩、誰と何をしてるの?」
じっと見つめて返事を待つ。心臓がバクバクしている。
この答によっては大変な局面になるかもしれない。
「心配されるようなことは」
言いかけた貴くんの声はスマホの着信音で止まった。
この音は私のスマホじゃない。
沈黙。
そして鳴りやまない着信音。
「どうぞ、出て」
私はため息をついて立ち上がると貴くんに背中を向けてキッチンへと向かった。
鼓動が早くなる。彼から身を引いて声を出した。
「ああ、悪い。酒臭いよな」
私が離れたのはお酒臭いからだと思ったらしい。
「で、どこに?」
「麻布のクラブ。あ、もう少ししたら出掛けるからさ。果菜はゆっくりベッドで寝てていいから。休日なんだからな」
え?
「もう出かけるの?」
「そう」言いながら寝室に入って行っってしまった。
クローゼットのドアを開ける音がしてどうやら着替えをしているらしい。
睡眠とお風呂は済ませて来たから着替えだけでいいってこと?
ラグに座り込んだまま立てずにいると、着替えた貴くんが出てくる。
「麻布のクラブにはシャワーやベッドがあるの?」
真顔で問いかけると貴くんの瞳が大きく揺れるのがわかった。
「果菜」
「知らないボディーソープの香りをさせて朝帰りされたら気になるよね。毎晩、誰と何をしてるの?」
じっと見つめて返事を待つ。心臓がバクバクしている。
この答によっては大変な局面になるかもしれない。
「心配されるようなことは」
言いかけた貴くんの声はスマホの着信音で止まった。
この音は私のスマホじゃない。
沈黙。
そして鳴りやまない着信音。
「どうぞ、出て」
私はため息をついて立ち上がると貴くんに背中を向けてキッチンへと向かった。