35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
「こんなに幸せでいいのかな」
彼に包まれて幸せいっぱいのはずなのに、どこか幸せに浸りきれない私。

「大丈夫だ。俺たちは他のみんなと同じだけの幸せを求めているだけで悪いことをしてるわけじゃない。不安になんてなる必要はない。いいか、俺たちは幸せになっていいんだ」
指輪をした左手を力強く握られそう自信たっぷりに言われてしまうと、そうなのかなと思ってしまう私。

「”タカトの嫁”は楽しいことばかりじゃないかもしれない。でも、それでも俺はもう離してやれないし、どこに行っても絶対にお前のところに帰ってくるし、おまえのこと守るから。俺たちは俺たちの幸せを作ろう」

そうだね。
私も離れられない。
あなたが絶対に帰って来てくれると約束してくれるのなら、私は落ち着いてあなたの帰りをおとなしく待とう。
守られるだけじゃなくて守ってあげる。

「全力で幸せになろうね」


大きな窓からのぞく月はもうすぐ満月になろうと大きく煌々と光を放っている。
月の祝福を受けて誓いのキスをした。






~Episode5 帰る場所~    end






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