35階から落ちてきた恋 after story ～you are mine～

「いっそのこと、ここから出るときに二人で腕を組んで出ていけば？」
ヒロトの提案にしばし考える。

それもありかもしれない。
ここまで露出が増えてしまった原因はもちろん俺にあるわけだが、この先どうやって果菜を守っていくかを考え直す必要があるかもしれない。

現代のネット時代においてプライベートなど隠しておけるものでもない。が、果菜は芸能人ではない。不用意に晒して余分な心配もしたくない。
実に悩ましいところだ。

「今日のところは青山のガードでいいとは思うけど。明日新千歳空港から東京に戻る時も気を付けた方がいいのかもしれないな」という真島さんの言葉にまた気分が悪くなる。
空港で出待ちされるってどんな一般人だよって話だ。

秋野は今夜から夫の西さんと行動を共にするらしく、明日東京に戻るのは果菜と秋野の妹の二人だけだというし。いっそのこと俺と行動を共にさせるか・・・。
そのまま青山を付けておくのも外敵には有効だけど、その青山自身がどうかーーー。

「そろそろ出番だってよ。行くぞ」
ヒロトに肩を叩かれ俺は重い腰を上げた。