35階から落ちてきた恋 after story ~you are mine~
真紀さん、今は素の笑顔だ。
「さーて、一緒にLARGOの楽屋に突撃しよう!あ、でも果菜ちゃんがこっちに来てるのはタカトにバレてるからもうドッキリじゃなくなっちゃったんだけどねー。タカトの驚く顔が見たかったのに残念だわー。いっそのことタカトに会わせないで果菜ちゃんこのまま連れて帰っちゃうって方が驚くかしらぁ」

ーーーそう、そのドッキリは失敗だったんですけど。
会場の外で真島さんが私たちの前に現れた時にそう思いました。でも、そのまま連れて帰るって・・・真紀さんったら。
うふふふと笑う真紀さんに代わって西さんと朋花さんが「ごめんね」って顔をした。

この女王陛下には誰も逆らえないらしい。
国王陛下の西さんでさえ。

その場にいる女王以外のほぼ全員が顔を引き攣らせ苦笑した時だった。

「ふざけんなよ。俺の奥サン勝手に連れまわすなってーの」
声と同時に私の背中から身体が大きくて温かいものに包まれた。
この声と香りはーー大好きな私の旦那さま。貴くんだ。

私をバックハグして頬にキスをすると、
「やあ、奥サン、だいぶ活躍したそうで?」
と怪しい笑顔を見せた。

あ、ヤバい。
これ、結構やばいやつですね。

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