未来を見るなら、君と一緒に
「え……?」



賢晴さんじゃないことに気がついた潤が、くるっとこちらに寝返りを打つ。



「潤」


「え、陽くん?」



突然の俺の登場に目を丸くしてる。



「ごめんな、LINE気づくの遅れて」


「でも……よくここだって」


「わかってたわけじゃないよ。でも、俺はここしか知らなかったから」



それがいい結果に繋がったのかもしれない。


「どうやって入ったの?」


「美玲に管理人から鍵借りてきてもらったよ」


「美玲ちゃん……」



潤の眉が下がる。



「ヤスと美玲が待ってるからとりあえずここから出よう」


「……うん。でもこれが」



潤が腕についている手錠を見せる。



「あー……あった」



テーブルの上にある小さな鍵をとって、手錠の鍵穴にさす。



「よかった、すぐ見つかって」



こんなにすぐわかる場所に置いておく賢晴さんも爪が甘いけど。
賢晴さんは誰かがここにくるなんて考えてもいなかったんだろう。



「潤、ごめん。守ってやれなくて」


「そんな……」


「俺といるとみんな不幸になるんだ」

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