未来を見るなら、君と一緒に
「お前はまだ結婚しないの?」



潤が瑠美さんの元にいったから、残されたのは俺と賢晴さん。



「考えてはいますよ」



俺もやっと就職して、まだ1年目ではあるけど潤と生活できるだけのお金はあるつもりだ。

潤と付き合いはじめたときから、結婚は意識している。



「人の結婚式とか来るとしたくなんねぇ?俺、友達の結婚式行くたびに潤のドレス姿想像してたし」


「もう想像しないでくださいね」



潤のドレス姿を想像するのは、俺だけの特権だ。



「したいと思ったときにすれよ。手遅れになる前に」


「大丈夫ですよ。俺は賢晴さんみたくはならないので」


「うるせぇ」



コンっと頭を小突かれる。



「でも、やっぱりいまだに賢晴さんは俺の憧れですよ」



それだけは変わらなかった。
賢晴さんのことを憎いとも思った。

でも、憧れている気持ちは消えてなくならなかった。



「じゃあ、真似して結婚でもしたら?」


「真似してするもんじゃないですけどね」



俺はポケットに忍ばせているモノを握る。


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