未来を見るなら、君と一緒に
「とりあえず、この1年は光と一緒に過ごすって決めたんだ」



1年間の休学をした時に決めたこと。
絶対に一年後、光と一緒に家を出て学校に行く。
それだけを目標に掲げた。

光の夢も俺の夢も。
絶対に叶えてみせると。



「潤先輩のこと好きだったんだろ?」


「でも、俺が好きでもどうにもならないだろ」



潤先輩には、賢晴さんがいる。
この事実だけは変わらない。

俺がどれだけ想っても、たとえ賢晴さんの裏側が潤先輩が見てるものと違うとしても。

俺が奪うなんて、そんなおこがましいことはできない。
する勇気なんてない。

潤先輩に忠告して、先輩が泣くところなんて見たくない。
それなら、幸せに感じているならそのままでいて欲しい。
賢晴さんが潤先輩を幸せにしてくれるなら。

もしも、賢晴さんが潤先輩を裏切るようなときは
遠慮なんてしないけど。



「ヤスは、光のこと頼んだぞ」


「お、おう……」



ヤスも光のことを想っているのはわかってる。
あとは、光がもう少し元気を取り戻せれば。
ふたりはずっと一緒にいられると思う。

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