君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
彼と付き合いだしてから、私がお金を出す機会はほとんどない。申しわけないと思い財布を出しても受け取ってもらえない。

彼にコーヒーを、私は野菜ジュースを。


「野菜足りてないのか?」


イスに座った彼が尋ねてくる。


「昨日、ロールキャベツを焦がしてしまって……」


私がそう言うと、彼は声を噛み殺して笑っている。

初めて挑戦したロールキャベツは、とても順調にできつつあったのだけれど、火加減が強すぎて焦がしてしまった。
そして、仕方なくデリバリーを頼んだのだ。


「失敗は始まりですから、またリベンジします」
「そうだな」


悠馬さんがとてもうれしそうに微笑んでくれたので、私も笑顔を作った。


「それより、だ」


私の顔を覗き込む彼の声のトーンが下がったので緊張が走る。


「なにか?」


もしかして、なにかやらかしてる?


「すっぴんを他の男に見せたのか?」
「あ……」


本城さんにメイクしてもらったことを焼いているの?
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