君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
私、なにをしようとしているんだろう。
行ったところで予約もしていない人間を入れてくれるような場所じゃないのに。

それでも、ただ帰りを待っているのが苦しくてたまらないのだ。


料亭の前に到着したが、強くなってきた雨の中立ち尽くすことしかできない。

この中で悠馬さんが他の女性と談笑していると思うと、胸が痛くてたまらない。

彼と付き合うことすら拒否していたくせして、見合いの席に乗り込もうとしてしまうほど彼のことが大切な存在になった。

それは悠馬さんが失敗してもそれから挽回できると、何度も言いきかせてくれたからだ。
私の未来は真っ暗じゃないと。

そして、決して私を裏切らない彼に、心がどんどん持っていかれてしまった。


それから三十分。
なにをすることもできず料亭の門を見つめて立っていた。

雨はますます激しくなり、アスファルトにぶつかった雨粒が跳ね返ってきて、私の足元を濡らす。
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