君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
町田さんが口を滑らせると、一ノ瀬さんの眼球が即座に私のほうへと動く。


「仕事が恋……」
「あぁっ、もう私の話はいいですから。一ノ瀬さん、次どうぞ」


私が一ノ瀬さんを半ば無理やり押し遠ざけると、彼は渋々次の席へと向かった。



お帰りなさい会は二時間ほどでお開きとなった。

二次会なんて話が出ていたが、私は帰ることにした。
程よくカクテルを飲み、大好きなラタトゥイユをたっぷり食べて大満足。


「私はお先に失礼します。おつかれさまでした」


近くにいた町田さんにこっそりと挨拶をしている間、一ノ瀬さんは部長につかまっていた。

最寄り駅まで徒歩十分。
初夏の風がアルコールのせいで火照った体には心地いい。

駅の構内へと足を踏み入れようとしたとき、バッグの中のスマホが振るえているのに気づいて電話に出た。


『北里、どこにいる?』
「えっ、駅です」


相手は一ノ瀬さんだった。

もしかして二次会に連れていかれる?
そんな心配をしたものの、杞憂に終わる。
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