君を愛で満たしたい~御曹司のとろ甘な溺愛~
『すぐに行く。そこで待ってて』
「行くって? 二次会は……。え」


そこで電話は切れてしまった。

待っているように言われた私は、帰ってしまうわけにもいかず、夜空を眺めながらぼんやりとしていた。

インドの空はどんなふうに見えたのかな。
日本と一緒か……。

そんなバカなことを考えていると、カツカツカツというテンポのよい革靴の音が聞こえてきて一ノ瀬さんが走り込んでくる。


「はぁはぁ……。飲んだあとに走らせるなよ」
「別に走らせては……。一ノ瀬さん二次会は?」
「まだ帰国したばかりで疲れてるからってお断りしてきた」


いいの? 主役でしょ?
ポカンとしていると、「そんなことよりお前」と腕を不意につかまれる。


「えっ、なんですか?」
「いいから」


なにがいいんだか。

彼はそのままタクシー乗り場まで行き、私を乗車させたあと自分も乗り込んでくる。
そして、聞いたことがない住所を告げている。
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