愛してるのに愛せない。
「ぎゃああああああ!!!!!」

「あははははは!!!」

「速い!!!!!!怖い!!!!!気持ち悪い!!!!!」

なんで、私がこんなにも絶叫しているかと言うと・・・・

ーーーーー・・・・

数分前。

「遠出ってどこまで?」

「海?」

「一人で?」

「そうですね。」

少し考えるそぶりを見せたと思ったら、とんでもない提案をした陸さん。

「息抜きに俺らも行く!!」

「息抜きって・・。」

「俺は行かない。」

「そんな顔で小百合に会っても話すら聞いてくれないだろうよ。
な?ここんとこずっと遊んだりしてないんだし、少しくらいいいじゃん。それに、昨日怪我させちゃったみたいだし。」

そう言って左手首を見る陸さん。

「気づいてたんですか?」

「さっきね。左手首擦りながら俺らのこと見てたからもしかしてって思ってね。
ほら、お侘びもかねてさ!」

そう言うと二人とも仕方ないという顔で頷く。
海斗さんはすぐにどこかに電話をしていた。

「少しだけ待ってね。」

そう言いながら、私を近くのベンチに座らせると、ジュースを人数分買って来てくれた。
お金払います。と言っても全然受取ってくれないので、仕方なく仕舞う。

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

無言の空間。
ものすごく居にくい。
やっぱり一人で行こうと、声を出そうとしたとき、目の前に三台のバイクが停まった。

「お疲れ。」

「お疲れ様です!・・・小百合さん!?見つかったんですか!?」

「あ・・・私は・・・。」

「この子は違うよ。」

そう海斗さんが言うと、そうなんですね・・。すみません。よ明らかに残念そうにしている下っ端の人。
なんだか、イラッとしちゃう。

そう思っていると、

「じゃ、君は俺の後ろね。」

と、陸さんの後ろに乗せられ、ヘルメットまでされ、あれよあれよしている間に三台のバイクは走り出していた。

「あれ・・・確か、陸さんって・・・「ちゃんと掴まってね。」

そう言うと

「やっぱりーーー!!!!!!」

猛スピードで走り出した。

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