冷酷な王さまは愛し方を知らない


それを揺らぐ視界で見つめながら私は力が抜け足から崩れ落ちた。



「おい…っ!」



それを抱きとめてくれたのはアルさま。
驚いたような表情で私を支える。

ズクン、ズクン、と疼くような激痛が腰を打つ。
熱く焼けるよう。



「アルさま!貴様!!」



様子に気づいたキースさんがルナさんを拘束している。
ルナさんは戸惑ったような、それでいて悔しそうな表情で私を睨みつけていた。




「なんで…、なぜだ!」

「…アル…さま…。ご無事…ですか…?はぁ…お怪我は…」

「怪我などない!俺の事よりお前だろうが!お前が庇ったんだろ!」

「よか…た…。すみませ…、報告…で…なくて…」

「もういい、喋るな!おい!医者を呼べ!早く!!」



アルさまの切羽詰まったような表情。
そんな顔もするのだと、ぼやける視界で見つめながら思った。

痛みに私の瞳から涙が零れる。



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