うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
自分から送らなければよかった。合鍵をもらったからって、調子に乗りすぎた。……家に行ってもいいですかなんて、聞かなければよかった。

社長室前に着き、ドアを開けようとしたけれどその手はまだ震えていて、両手をギュッと握りしめた。

なにやっているのよ、私は社長の第一秘書なのよ? 彼から送られてきたメッセージひとつで、仕事に支障をきたすわけにはいかない。

頭の中からさっきのメッセージ文を追い出し、ドアを開けて朝の掃除に取りかかった。

気を張って一日を過ごし、仕事終わりにスーパーに寄って自宅に向かう帰り道。再び見てしまうのは彼から送られてきたメッセージ。見れば見るほど、ある思いが頭をよぎる。

もしかしたら私、副社長に嫌われちゃったのかも。だってあれほど毎日メッセージを欠かさず送ってくれていたのに、最近では途絶え途絶え。

仕事終わりの食事はもちろん、休日に出掛けようとも誘われてもいない。

でもよく考えたら、彼のことが好きかどうかもわからないのに、付き合っていること自体おかしな話だよね。
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