うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
とにかくまずは社長室へ行かないと。表情を引き締め、オフィスを後にして社長室に向かった。

社長室に入ると社長は神妙な面持ちで私を待ち構えていた。

私を呼んだ理由は恐らく副社長のことだよね? いや、でも自分から聞くのも……。そう思い、分からないフリをしていつも通りの言葉を掛けた。

「社長、ご用件はなんでしょうか? 午後は特に予定は入っておりませんでしたが、急用ですか?」

尋ねると社長は真っ直ぐ私見つめた。

「井上くん……廉二郎とはうまくいっているものとばかり思っていたが、私の勘違いだったのか?」

やはり社長の耳にまで噂が入っている?

なにも言えずにいると、社長は大きな溜息ひとつ零した。

「久しぶりに廉二郎と仕事の話も含めて昼食を取ってきた。……そこであるお願いをされたんだ」

「お願い……ですか?」

もしかして社長の耳に噂は入っていない? それじゃ副社長がしたお願いってなに?

聞き返した私に社長は言う。
< 172 / 330 >

この作品をシェア

pagetop