うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「それはえっと……ありがとうございます。……でも副社長もカッコよくて、私もけっこう困ってますからね」

素直な想いを吐露すると、ますます彼は顔中を赤くした。

「それはこちらこそありがとう」

そしてそっぽ向きながら言うものだから、思わず笑ってしまった。

会社ではいつも厳しい表情をしていて、笑ったところを見たことがないのに、私の前では色々な顔を見せてくれる。

それは自分だけの特権だよね? そう思うとまた幸せ貯金が増えるんだ。

それから副社長が運転する車で向かった先は、都内から離れた場所。大きな公園になっていて、四季折々の花や植物が楽しめるデートスポットだった。

「ここなら会社の人間の目を気にすることなく、日葵と恋人らしくデートできるだろ?」

そう言いながら手を握ってきた副社長。

「そ、そうですね……」

戸惑いながらも握り返すと、さらにきつく繋がれた手。

恋人つなぎをして歩きながら、綺麗で可愛い花に足を止めて、ふたりで眺めてはまた歩き出す。
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