うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「そうだな、ここは廉二郎を信じて私は静かに静養するべきだ」

「……はい」

やっといつもの社長に戻ってくれて、私も口元が緩む。

「しかし驚いたよ」

「えっ? 驚いたとは?」

意味がわからず聞き返すと、社長はニヤリと笑った。

「キミが廉二郎のことを『廉二郎さん』と呼んでいることだよ」

「……っ! 失礼しました。……つい」

やだ、社長の前では『副社長』と呼んでいたのに……。

すぐに謝罪するものの、社長は首を横に振る。

「いや、キミと廉二郎の仲が垣間見られた気がして嬉しいよ」

そう言うと社長はゆっくりと起き上がり、あろうことか私に深く頭を下げた。

「社長? なにをっ……!」

慌てる私に社長は頭を下げたまま言った。

「どうか廉二郎を支えてやってくれ。……私の分までどうか」

「社長……」

社長は拳をギュッと握りしめた。
< 251 / 330 >

この作品をシェア

pagetop