うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
私には幼なじみという存在はいない。……でも最強の存在だよね。だって幼い頃からずっと知り合いなんだもの。

私の知らない廉二郎さんをたくさん知っているってことでしょ?

そう思うとモヤモヤする。彼女がどういった理由で今日、会社にまで廉二郎さんに会いに来たのかわからないからこそ余計に。

今まで一度も尋ねてきたことなんてなかったのに、なぜ急に……?

モヤモヤは広がっていき、これでは埒が明かない。寝て忘れてしまおう。

読んでいた漫画を本棚にしまい、歯磨きを済ませて部屋に戻るとスマホが鳴った。

「もしかして……」

テーブルの上に置いてあるスマホを急いで確認すると、電話の相手はやっぱり廉二郎さんだった。

「もしもし、廉二郎さん?」

急いで電話に出ると、すぐに愛しい人の声が届いた。
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