うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
名前で呼ばれているのは私だけだと喜んでいた自分が恥ずかしい。そんなことなかったのに……。

『日葵? ……どうかした?』

なにも言わない私を不思議に思い掛けられた声にハッとなる。

「あ、いいえ。ただその……二階堂さんとは、どういった関係なのかと思いまして……」

思わず聞いてしまった。だって気になるから。すると彼はすぐに話してくれた。

『彼女とは父親同士が仲良かったせいか、幼い頃よく遊んでいたんだ。大人になっても、何度か会ったりしていた。……だから今日は心配して来てくれたんだ』

「そうだったんですね……」

やっぱり幼なじみだったんだ。

廉二郎さんの口から直接聞けて安心した自分と、まだちょっぴりモヤモヤしている自分がいる。

だって大人になっても会っていて、心配して会いに来るほど親しい関係なんでしょ? そう思うと醜い感情に覆われる。
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