うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
リビングに戻りづらくて、廊下の壁に寄りかかると、副社長が言葉を選びながら話し出した。

「仕事真面目で私の父もいつも井上さんに助けられております。……それに彼女は秘書課内でも後輩に慕われており、上司にはなにかと頼られている、そんな存在です。私から見てお母様がご心配されるようなことは、なにもないと思います」

最後はきっぱり言った副社長に、お母さんは安堵した様子。

「そうですか。……よかった、安心しました」

「ご家庭同様、社内でも責任感が強く、すべてにおいて優れているからこそ父は彼女を秘書に抜擢したのだと思います。どうぞご安心ください」

まさか副社長にそんな風に言ってもらえるとは思わず、気恥ずかしくなる。

でも自分がしてきたことをこうして認めてくれている人がいるって、やっぱり嬉しい。

ましてや副社長は私の直属の上司ではないのに。

お母さんを安心させてくれて感謝だ。……けれどこの状況では、リビングに戻りづらい。もう少ししてから戻ることにしよう。

そう思った矢先、お母さんの口からとんでもない言葉が飛び出した。
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