[完] 空に希望を乗せて [長編]

初恋かも。

体育会が終わった。高校生活初の体育会。感想はもう、迫力が凄かった、としか言い様がない。ダンスにリレー。組み立てに応援競走。かっこよくて可愛くて、3年生なんて素敵すぎて素敵すぎて。そう言えばうちのクラスの体育実行委員、晴輝くんなんだよね。閉会式が終わった後学年ごとに集まっている。私もそっちに駆けていく。実行委員長がそれぞれ発表していく。晴輝くん。なんかかっこいいな。思わずときめく。あれ?なんだこの胸の高鳴りは。まさか、恋?ん、ないないないない!!絶対ないよ。なのに晴輝くんから目が離せない。きゅうと胸が苦しい。なんなのこの気持ち。
「それが恋だよ!」
美結と愛桜に、今日の出来事を伝えてみると、見事に2人の声がハモる。
「えぇ…。」
予想は出来てたけど、ズバリ言われるとやっぱりたじろぐ。
「ついに茉夏にも」
「春がきたかぁ」
2人のお母さんみたいな台詞に思わず笑える。
「いやいや、笑い事じゃないから。」
2人が意味ありげに目を交差させあっている。なんなんだよー。
「とにかくおめでと!」
「しっかり恋しな?」
えー、やっぱり恋なのかなぁ。晴輝くんが脳内にぽぁっと浮かぶ。すきだよ、なんて台詞を言わせてみたり…。おいおい私!!なに妄想してるんだ!やだ恥ずかしい…
「わかった。頑張ります!」
ちょっぴり胸をはっておどけてみせる。
うん、やっぱあたし恋してる?みたい。
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