[完] 空に希望を乗せて [長編]

スプリングカップに向けて

「やーもうすぐスプリングカップやーん」
「ホント、はやいねー」
「メンバーどうなるんだろ。」
「それ、不安!」
「みんなで団体戦、出たいね。」
「うんうん、頑張ろ!」

「今回のスプリングカップは団体戦のみだそうです。メンバーは3年生全員。あと男子は2年生もね!これから3年生に体育館を譲ってもらうことになるかもしれんけど、そこは一、二年生のみんな協力よろしくね?」
「「はーい!」」

「今日はノックするよー番号振るね。1、…。」
「5!」

「はい、じゃあ別れて〜!」
いつもにも増してなんだか練習がピリピリしている。それもそのはず。スプリングカップは引退前最後の試合だから。後悔したくない。
「お!結くんとか!よろしく!」
「あー、よろしくお願いします!」
立てた筒に向けてスマッシュを打ち込んだりする。暇はない。ずっと動きっぱなし。1、2年生は外。なんだか懐かしい。
キュ、キュとシューズの擦れる音。パーンとガットのしなる音。流石3年生ばっかりとあってかフレームに当たったりするあまり綺麗ではない音がほとんどない。みんな成長したんだな…とか、しみじみ実感してみる。
「先輩危ないっ!」
「うおっ」
お腹に刺さるシャトル。結構痛いけど、あるある。
「先輩大丈夫すか?」
「おぅ。大丈夫大丈夫。」
「気をつけてくださいよー?みんなピリピリしてるんすから。」
「はぁい。」
いかんいかん。集中せねば。
< 75 / 92 >

この作品をシェア

pagetop