[完] 空に希望を乗せて [長編]

練習について

「じゃあ練習始めるよ!ストレッチ!」
足や手の筋肉を伸ばすストレッチが中心で、2、3分で終わるが、このストレッチを怠ってはならない。1度だけ、時間が無くて省いた日があったが、その日はみんな筋肉痛になった、また、けが人も出たくらいだ。結構だべりながらやる。みんなで輪になって、ときにしりとりとかするくらいだ。

次は基礎打ち。番号を振ってやる。たまにメンツが被るけど、なかなか楽しい。ドライブ2分、クリア2分、ヘアピン2分、ドロップヘアピンはね上げ2分、スマッシュヘアピンはね上げ2分、を1セット。10分間でワンミス交代。今は3年生+男子1、2年だから10分間交代なしでやっている。今日は美結と。半面でしていく。これも毎日絶対。この後ときどきフットワーク、ステップが入る。今日はなし。
「今日は半面シングルやるよ!」
やった!半面シングル!1番の得意分野。
「うわ、1番目美結とやん」
「それこっちの台詞。1番目茉夏とやーん」
「美結強いもーん!」
「シングルは茉夏のが強いもーん」
「そんなことないよー」
「両方強いよ!」
「愛桜ナイスツッコミ」
「絢音〜」
いつもこんなノリ。楽しい。
「よーい…スタート!」
ぴー 、と電子音がなる。集中して、ぱっと切り替える。集中の2分間。その連続。
5、6回したところで休憩になる。

「はぁ、やっぱ茉夏シングル強いね〜」
「そんなことないよ〜」
給水しながらもやっぱりおしゃべり。女子は人がいる前では喋らざるを得ないのだ。そんな生き物。
「いーなーシングル得意でー」
「桃はダブルス得意じゃん!」
「そうなんだけどー」
ダブルスは相手も大事だし。その言葉が「ー」には隠れていた。
「次ダブルスするよー全面勝ち上がり」
「よっしゃ!ペアは?」
「シャッフルでいこうかなって思ってる!」
「おぉがんばろ〜!」

結果私は美結と。ラッキー!茉莉がえぇ、と眉根を寄せて困った表情をしている。それもそのはず。1年の望くんとだからだ。
「先輩?大丈夫ですか?」
「あ、うん、頑張ろ!」
ただ、意外とこの2人は強かった。ここがシャッフルダブルスの強み。意外なペアが強かったりする。
これは結構あっという間で、気づいた時には
「片付けだよー」
の声。みんなの息がはずんでる。はーはー。ふーふー。ぜーぜー。疲れ切った時って、ほんとに呼吸もしたくなくなるらしい。

片付けも終わって
「「ありがとうございました!」」
で礼して終礼。
「お疲れ様でした、今日は皆さんに残念な話があります。今回の大会…。選手の皆さんしか会場に行くことが出来ません…」
えー!!! 、と2年生を中心にブーイングがあがる。
「今回会場が変わってしまって、狭くて、みんなでいくことが出来なくなってしまいました。」
みんなからの大ブーイング。
「私のせいじゃないのよ?」
それはわかってる!!
「とりあえず!明日からも頑張ろ!」
「「はぁい…」」
衝撃の宣告。毎日の部活はこんな感じ。さあ、これからどうなっちゃうんだろう。
< 81 / 92 >

この作品をシェア

pagetop