[完] 空に希望を乗せて [長編]

先生の目標と応援

「ね、これ…」
部室の中、美結が見つけたものはなんと、
『コールの時失敗しない!By晴香』
とゆう先生の目標だった。
「ねぇ星野先生の下の名前晴香って言うの?初耳なんだけど」
美結の含み笑いが聞こえる。思わず私も笑い出す。まるで水の波紋が広がっていくように笑いが伝染していく。そして大爆笑。
「えー?先輩たちどうしたんですかー?」
道具を取りに来た後輩達がキョトンとした表情を浮かべている。何も知らない後輩達。その呆気にとられた表情もまた面白くて爆笑爆笑。笑いって徐々に広がっていくもので何故かわからないのに笑ってしまう。
「ちょ、みんな大丈夫??」
そこに登場した星野先生。再び3年生大爆笑。
「せんせーコールで失敗しないってなんなんですかー?」
「ぐはっバレてしまったか…。」
「え、逆にバレないとでも?」
「うむ」
再び3度大爆笑。笑いすぎて呼吸もしたくない。表情筋が痛い。

その日の夜。
「先輩、お願いがあるんです」
「ん?どした?」
茜ちゃんからのメッセ。
「実は…」

「ではお願いします!」
「了解!任せて💪」
「助かります!」
「うちらもそんなしてもらえてありがたいよ!」

翌日。帰りの会が終わったら体育館にダッシュ。後輩達はみんな来てる。鍵を開けて後輩達をとりあえず閉じ込める。大丈夫、誰にも見られてない。
「あれ?茉夏、鍵は?」
「え?美結とりいってないの?」
「行ったけどなかったんだよね〜」
「え、じゃあだれか持ってるのかな?」
「そうじゃない?探してくる!」
「あ、はーい…」
ラッキーだ。流石美結。責任感が強い。でも、ごめんね美結。携帯を見る。まだか…。
「あら、茉夏??鍵は?」
「茉莉!探し中なんだよ〜」
「まじで?!先生には?」
「言って、探してもらってる、茉莉は生徒当たってみて?ここで待機してる!」
「お、おう」
まだかなぁ。これ以上だますのはきついよ。
♪ピロン
「終わりました!ありがとうございます!開けてください!」
「(-ω-ゞラジャ⌒☆」
ぎぎぃ、ばん!
「@みゆう@マツリ💘鍵あった!私の間近くに落ちてた😨」
「おいおい@mana🌸」
「いまからいくー」

「うぉ!なんじゃこりゃ!すげ!」
「青春やね〜」
そこには目標、個人目標、+センセの周りに応援メッセージ。
『先輩!FIGHTです!茜』
『頑張ってる先輩カッコイイです!梢』
『県大会出場絶対ですよ?美羽』
・・・。
「凄いね。みんなからだよ。」
「最高。頑張らなきゃな。」
これがプレッシャーになってしまわないか、ちょっと心配になってきた。
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