[完] 空に希望を乗せて [長編]
第二章

紹介

バドミントン部に入部した。ついに今日から練習できる。入部届けを出してから3日。中学時代の友達とも和解できて、スッキリ始めることができそうだ。だけど、やっぱり希望はもてない。希望をもつことが、本当に怖い。あっという間に授業時間が過ぎ、待ちに待った放課後。いよいよだぁ、体験のときみたいにほわほわした気分になる。早速用意をして、体育館へ向かった。
「あれ?結木さんやん!」
後ろから声がする。この声は、松下さん…
「あ!松下さん!」
「結木さん部活入ったー?」
「入ったよー、バドミントン部!」
「おぉまじで?あたしもー」
「本当!よろしくね!」
「よろしくー、じゃああたしのこと美結でいーよ!」
「わかった!美結ちゃん!こっちも茉夏って呼んでね?呼び捨てでいーよ、ちゃん付けされるのなれてないから。呼び捨てするのにはなれてないけどね」
「了解!茉夏だね!茉夏も頑張って呼び捨てで呼んでみてよー」
「んー…み、美結?」
「そうそう!それでいこう!あたし逆にちゃん付けばっかだからさ、たまには呼び捨てしてほしーなって」
美結ちゃん、じゃなくて、美結が照れたように言う。可愛いすぎる…
「一緒いこーよ!今日はメンバー紹介するんだって!」
「うん!そーなんだ!いこー!」
どんな人達がはいってるんだろう。どきどきする。高校での青春をどんな人達とすごすのか…。

体育館にはいるとそれなりの人数が集まっていた。少しすると、星野先生が入ってきて、先輩方が先生をまるく囲む。私達も真似して囲みに行く。
「皆さんこんにちはー」
こんにちはー、と皆が答える。少し話があって1年がなんと8人もはいったことがわかった。
「では、自己紹介してもらいましょうか。前にきてー」
美結と顔を合わせ、すくっと立つ。

「じゃあ夏目さんからね。」
夏目さん、と呼ばれた少女が返事をする。
「夏目愛莉です。中学でもバドミントンをやっていました。よろしくお願いします」
ショートカットでさっぱりしてそうな女の子だ。
「右から順にお願いね」
と先生が口を挟む。夏目さんの隣の子の目が戸惑う。

「えっと、三橋 愛桜です。中学は合唱をやってました。高校でもバドミントン部と兼部します。よろしくお願いします…」
声が高い。歌ったら絶対綺麗だろうな、と思う。

「弥生 柚香です。元帰宅部です。よろしくお願いします。」
前髪あげてて、スッキリ、ストイックそうだ。

「八代 桃夏です。光山中出身です。よろしくお願いします。」
なんか、性格掴みにくそう。

「三橋 絢音です!茜中出身です!よろしくお願いします!」
小動物みたい。ハムスターを想像する。
いよいよ私の番。ふはぁと息を吐く。

「えーっと、結木 茉夏です。陸上部やってました。よろしくお願いします」
胸が苦しい。先輩方の視線が痛い。こんな緊張するものなのか…。

「松下美結です。みう、みゆじゃなくてみゆうです。間違えないでくださいね?よろしくお願いします。」
ふふっと笑いがおこる。よく間違われるのだろう。なのに美結は凛としている。なんかかっこいい。

「松島友梨香です。陸上部でした。よろしくお願いします。」
なんかオシャレ…。

「はい、以上8名がみんなの仲間になります!仲良くしてあげてねー」
はいっ。と声があがる。なんだか楽しくなりそうな予感!
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