[完] 空に希望を乗せて [長編]

地区大会

「はぁ…。いよいよ今日なんだなぁ…」
地区大会まで進出した人たちの試合。全員が負けてしまったら…引退。今や大会が終わったら引退じゃなくて、部活に行けなくなったら引退のような気がする。切ないなぁ。

午前中、最後かもしれない練習があって、午後、地区大会進出した人達の応援。
絶対勝ってもらいたい。弓場高校には応援歌がない。他の学校がちょっぴり羨ましい。

「がんばれー!!」
「美結ファイト!」
「絢音せんぱーい!」
「頑張ってくださーい!」
声援が体育館に強く反響する。弓場高校には声が通りやすい人が多いらしい。
何度も何度も危ない展開に陥り、手汗がヤバいこともあった。

しかし。結果は…。
残念ながら敗退。悔しい。涙腺が刺激されたが、自分が出た訳でもないのに泣いちゃうのもなんだかな、って思い、唇を噛み締めていた。
「皆さんお疲れ様でした。えっと…。結果は残念でしたがみんなホン…本当に頑張っていて、感動しました。」
星野先生が泣いている。そんなとこ、初めて見た。
「これからは、3年生は引退して、1、2年生が主となって頑張っていってもらうことになるけど、3年生の皆さんもし覗きにこれたらきてみてください!」
「「はい!」」

配車割りされた車に乗る前にみんなで写メを撮りまくる。後輩達とや先生と、もちろん同級生とも。全員での集合写真も撮ったし、3年生全員の写メも撮った。かなりの量になる。
最後か…思ったら、ちょっぴり涙が零れた。
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