お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「黒木、別人みたいだったな」


「そう、だね……」


「告ってきた女に、いつもあんな風に冷たく返してんのかな」


「どう、だろうね……」


「美都ー」


「んー?」


「喜んでるだろ」



立ち止まって、ニヤリと笑う紗姫。


そうだろ?そう顔に書いてある。



「そ、そんなわけないじゃん……
女の人、泣いてたんだよ?」


「へえ……顔、真っ赤なのに?」


「っ!!」



図星、だった。


まさかあのタイミングでそんなこと、言われるなんて思ってなかったから。


< 114 / 353 >

この作品をシェア

pagetop