お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「黒木、別人みたいだったな」
「そう、だね……」
「告ってきた女に、いつもあんな風に冷たく返してんのかな」
「どう、だろうね……」
「美都ー」
「んー?」
「喜んでるだろ」
立ち止まって、ニヤリと笑う紗姫。
そうだろ?そう顔に書いてある。
「そ、そんなわけないじゃん……
女の人、泣いてたんだよ?」
「へえ……顔、真っ赤なのに?」
「っ!!」
図星、だった。
まさかあのタイミングでそんなこと、言われるなんて思ってなかったから。