お嬢様、今夜も溺愛いたします。



「おかえりなさいませ、お嬢様」


「た、ただいまです……」


放課後。


いつも通りエントランスを出て、駐車場で待っていたリムジンに乗り込む。


「もう、着替えられたんですね」


スピーカーを通してはいるけど、一応運転席が映るカメラも設置されている後部座席。


見れば、昼休みに見た私服から、いつも着ている執事服に変わっていた。



「ええ、もちろん。執事ですからね」


「そう、ですよね……」



って。


いやいや残念がるな、私!!


あくまで黒木さんは私の執事であって、この仕事もバイトの一環。


私服じゃなくて当たり前でしょ!!
< 116 / 353 >

この作品をシェア

pagetop