お嬢様、今夜も溺愛いたします。


「おや。もしかして、私の私服、お気に召されました?」


「えっ……!?」


「今日お昼休みに初めて私を見た時のお嬢様が、あまりに可愛らしい反応をされておられたものですから」


ドキドキしてたの、バレてた!?


鏡でも見たけど、あんなに真っ赤な顔してたら気づかない方が無理あるよね……


「普段執事服に見慣れているから、かっこいいなーと思っただけで……」


って、あっ!


「かっこいいと思って下さったのですね。
死ぬほど嬉しいです」


スピーカー越しに、クスッと笑う声が聞こえる。

ぼ、墓穴掘ったぁぁぁぁーーーー!!


「よろしければ今度から、執事服ではなく、私服にいたしましょうか?お嬢様の、ご要望通り……」


「要望なんてしてないですから!」


「ご遠慮なさらなくて結構ですよ?」


「し、執事服でいいです!」



というより、私の心臓が持たない!!



「ふふっ、了解いたしました」

< 117 / 353 >

この作品をシェア

pagetop