お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「おや。もしかして、私の私服、お気に召されました?」
「えっ……!?」
「今日お昼休みに初めて私を見た時のお嬢様が、あまりに可愛らしい反応をされておられたものですから」
ドキドキしてたの、バレてた!?
鏡でも見たけど、あんなに真っ赤な顔してたら気づかない方が無理あるよね……
「普段執事服に見慣れているから、かっこいいなーと思っただけで……」
って、あっ!
「かっこいいと思って下さったのですね。
死ぬほど嬉しいです」
スピーカー越しに、クスッと笑う声が聞こえる。
ぼ、墓穴掘ったぁぁぁぁーーーー!!
「よろしければ今度から、執事服ではなく、私服にいたしましょうか?お嬢様の、ご要望通り……」
「要望なんてしてないですから!」
「ご遠慮なさらなくて結構ですよ?」
「し、執事服でいいです!」
というより、私の心臓が持たない!!
「ふふっ、了解いたしました」