お嬢様、今夜も溺愛いたします。


ぐはっ!!


「お嬢様?どうされました?」


「な、なんでもないです……」


心臓を殴られたみたいな。


言葉の暴力だ。

言葉の暴力!!


いい意味でのね!


もうね、完全に心がかき乱されてる。

黒木さんのとびきり甘い言葉に、私はいつも翻弄されてる。


「み、見ないで下さいぃぃぃ………!!」


「見ますよ?
お嬢様の可愛い姿は一秒たりとも逃したくありませんから」


カメラは運転席だけじゃなくて、後部座席にもついている。

悶えながら両手で顔を覆っている私もばっちり映ってるわけで。


「今すぐそちらに行って、抱きしめたいほど可愛いです」

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