お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「だめじゃ」
「え……?」
「結婚など、わしは許さん」
「っ!!」
頭から水をかけられたように動けなくなる。
「そんなっ、どうして……っ」
ぎゅっとこぶしを握りしめる十夜さんの顔がみるみるうちに悲しいものに歪んでいく。
「おじいちゃん……っ」
胸が張り裂けそうなほど苦しくなる。
どうして。
なんで。
そんな言葉だけが頭の中をぐるぐる回って、込み上げてくる涙を必死に堪えようとした時。
「学生の間は、じゃ」