お嬢様、今夜も溺愛いたします。
──────────


「はぁっ、緊張した……っ」


「私もです」


おじいちゃんと別れ、部屋に戻ってきた私は緊迫した空気から解放された安心感からぼふんっとベッドに座り込んだ。


「そうなんですか?
十夜さん、全然緊張しているようには見えませんでしたけど」


「してましたよ。
生きてきた中で一番ってくらい。
でも本当に良かった……」


そして再び私を抱きしめ、ふわっと軽いキスを唇に落とすと隣に腰かけた。


「……あの、ずっと気になってこと聞いても良いですか?」


「なんでしょう?」


「前に言ってた夢ってなんですか?」

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