お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「それに………」
「それに?」
ふと黙り込んだ私を心配するように、のぞきこんできた黒木さん。
「別に、いやではなかったので………」
「は?」
間の抜けた反応に一瞬ギョッとしたけれど、なんとか平然を持ち直して続ける。
「その……ああやってふれられることが……前の元カレのことがあって絶対むりだと思ってたんですけど、黒木さんなら、全然怖くな………」
って、あれ?
さっきから何を言ってるの?
これじゃあまるで、
私が黒木さんにふれられることを、望んでいるみたいな……