お嬢様、今夜も溺愛いたします。
「っ……お嬢様」
「ん?っ……きゃあっ!?」
ポスンと音を立てて押し倒された私の上で、
「く、苦しいですっ黒木さっ…!」
のしかかるように、私の背中にぎゅっと腕を回す。
「あまり私を喜ばせないで下さい」
「よ、喜ぶって……」
さっきの私の発言、ただただ恥ずかしいでしかなかったと思うけど……
てゆーか、いくら体重をあまりかけてきていないとはいえ、体がぴったり寄せられているのは事実。
ううっ……勘のいい黒木さんのことだ
心臓の音、絶対バレてる気がする。
「それにしてもここ、すごい星が綺麗に見えますねっ!?」
黙っていると尚更バレると思って、なんとか話題を絞り出した。
「ふふっ、そうですね。
お嬢様が意識を失った後、少しでも外の風に当たった方がいいのではと、最上階へとお連れしました」
「最上階……」
この建物は横にもあるけど、縦にもある。
星に手が届きそうなほど高い場所。
完全に外というわけではなくて、屋上は透明のドームのようになっていて、まるでプラネタリウムを見ているかのよう。
少し風を感じるから、どこかの窓が開いてるのかもしれない。
今私たちがいるベッドの周りをよくよく見れば、色とりどりの草花や植物が植えられている。
所々にキャンドルが置いてあって、とっても幻想的。
建物の中にいるのに、大自然の中にいるような気分。