片思い終着駅
牧田さんには申し訳ないけど、払える金額ではなかったので、サロンモデルを引き受けた。
カラーをしてもらっている間、つばさくんは教科書とほぼ同じ大きさの本を一生懸命読んでいた。
「ののかちゃん、大学でモテモテでしょー?」
「あ、いえ。残念なことに全然なんですよ。なのでわたしがサロンモデル引き受けちゃったの申し訳ないです…」
「そんなことないわよー!多分、男の子が近付けないのって、つばさと一緒だからじゃないかしら?」
カラーをしながら、緊張をほぐすように話しかけてくれる牧田さん。
「えっ、それはやっぱりつばさくんが、ナンバーワンホストだからですか?」
そう言うと、わたしの髪にカラー剤を塗っていた牧田さんの手が止まり、
「つばさ、いつの間にナンバーワンホストになったのよ!!!」
とお腹を抱えて笑う牧田さん。