片思い終着駅


「あの…永田くんは、芸能人で?それで大学も休みがちで?女の子にモテモテで?」

やっと頭の中が整理できてきた。
これだと、確かに辻褄があう。

「ごめん、ののか。隠していたわけじゃないんだ。ただ、もし ののかがほかの女と同じように騒ぐ人だったら、嫌になってたと思うから、なかなか言えなくて…」

実際、わたしはテレビも見ないし、ネットもあまりしない。お買い物だって、お化粧品コーナーには行かないから、今まで気付かなかった。

「もー、スッキリした!つばさくんのプライベート、全然知らないから、わたしてっきり壁作られてるんだと思ってた!」

わたしにさえもプライベートを話さなかったのは、拡散されるリスクを恐れてだったのだろう。
どこから漏れるか分からない、だからわたしにも話さなかった。


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