蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
少し気にしつつも2人分のお茶を入れ、テーブルに置く。


「ありがとう」


いつもの半分くらいの声量でそう言い、湯呑に手を伸ばす柚木さん。


体調でも悪いんだろうか。


それとも、この前の話しのことを気にしているんだろうか。


警察はもう柚木さんの存在に気が付いているだろうという、あの話を。


僕が自分の湯呑へと手を伸ばした時、ポンッと電子音が聞こえてきて新しいメールが届いたことを知らせた。


僕は湯呑を片手に持って体の向きを変えた。


画面上には飛び込みの依頼メールが表示されている。


依頼者は隣街の主婦の人だ。


僕は依頼内容を確認しないまま、パソコンに届いたメールを自分のスマホへと転送した。
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