蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
少し使い古してきたそれを握りしめて画面を見つめる。


普通だったらこんなときどうするか?


そんなの考えなくても答えは知っていた。


僕から警察に通報するのだ。


嘘か本当かわからないけれど、事件の可能性があるのだから。


それが人として正しい判断だし、僕にとっても不利益になるようなことはなにもない。


むしろ、このまま黙っていた方が僕にとってはマイナス要因となるだろう。


わかっていた。


わかっているのに、僕の指はそれ以上動かなかった。


とくに話をしたことのないクラスメートのことが、気になってどうしようもなくなっていた。
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