蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
「柚木さん!?」


声を上げながら自分の部屋の中を確認する。


やはり誰もいない。


外のトイレにも、母屋にも、柚木さんの姿はなかった。


離れのリビングに戻って来た時、そうめん流しの機械まで無くなっていることに気が付いた。


なにもかも、持って行ってしまったようだ。


まるで、最初から柚木さんはここにいなかったような……。


「ふざけるなよ……」


棒立ちになりながらも、僕は拳を握りしめていた。


突然声をかけてきて、相談に乗ったら脅してきて、半分強制的に同性状態になって、蘇らせ屋の仕事にまで首を突っ込んできて。


それなのに、何も言わずに出て行った。
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