蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ
「ふざけんなよ!!」


右足を踏み鳴らし、叫ぶ。


僕は蘇らせ屋であることを極力隠し、静かに生きて来た。


それを、柚木さんが全部奪って行ったんだ。


「なんで、今更……!」


そこまで言って、ふと気が付いた。


そうか。


柚木さんはすべてを思い出したんだ。


思い出したからこそ、ここにいてはいけないと感じて跡形もなく消えてしまったんだ。


「だとしたら、本当に柚木さんが犯人なのか?」


僕はそう呟いて頭を抱えた。


いくら考えてもわからない。


もし柚木さんが犯人で、それを思い出したから逃げたのだとしたら……僕ができることはただ1つ、警察に行くことだけだった。
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