プロポーズは突然に。





夕方に帰宅した私は、久しぶりに一人の時間を楽しんでいた。


一通りの家事を終わらせ、ソファーに腰掛けて缶ビールを飲みながらお気に入りのDVDを観たりして。




「ただいま」

「…」




やっぱり一人が気楽でいいよ、なんて思っていたタイミングでの彼の帰宅。



壁に掛けられた時計に目をやれば、まだ19時過ぎ。

私が仕事の日はまだ働いている時間だけど…彼はいつもこんな時間に帰ってきているのだろうか。



そんなことを考えながら視線を落としてみると、彼が手に持っている大きな紙袋に気付く。


また仕事を持って帰ったのか、その中には前と同じように書類の山と大量のサンプル品が入っていた。



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