プロポーズは突然に。
「そんなに行きたいのか?」
「もちろん行きたいよ。そのために来たんだし」
私の返答に彼は一瞬険しい表情を見せたものの、すぐに冷静な顔に戻り、ハァ…、と息を吐いて私の後ろに立つ。
それも、扉が開かないようにするためか、重ねるように私の手を握りながら。
そんな理解不能な行動にまた戸惑い、咄嗟に顔を前へと戻していた。
「だったらせめて浴衣は置いていけ」
「…どうして?」
「他の奴におまえの浴衣姿見せたくない」
「…っ、」
私の耳元に降ってきたのは予想外の言葉で…心が揺さぶられた。
一瞬で顔中が熱くなったような気がして、前を向いていて良かったと心から思った。
「…馬鹿みたい。そういうの面倒くさい」
その顔を絶対見られたくなくて、またくすぐったくなった気持ちをどうしても隠したくて。
そんな理由でこんな態度を取ってしまう私は本当に可愛くない。