プロポーズは突然に。
「あー、お腹空いた。おねーさん何か持ってない?」
窓から移り変わる景色をボーッと眺めていると聞こえてきたそんな声。
それに反応するように視線を向ければ、律くんが物欲しそうにこちらに手を差し出していた。
…子供じゃあるまいし。
一つため息をつき、鞄の中に忍ばせていた飴を差し出された手に何個か乗せる。
「こんなのしかないけど」
愛想なく私がそう言うと、律くんは自分の手に乗った飴に視線を落としてまたクスッと笑う。
一体何がそんなに面白いのか…ただのイチゴミルクの飴なのに。
「またこの飴?あの時と一緒だね。これ好きなの?」
「あの時…?」
律くんがサラリと口にした言葉に疑問を感じる。
私、律くんに飴なんてあげたことないんだけど。
何言っているんだろう、と首を傾げる私に気付いた律くんは一瞬だけハッとしたような表情を見せた。