プロポーズは突然に。





母を失い、父を失い、私にはもう何もなくなった。


だけど、それでも生きて行かないといけないから。


だから、“あの日”に蓋をして、


“あの日”起きたことはなかったことにして。


一人でも強く生きていこうと決めたんだ。


誰かに守ってもらうんじゃなく、

誰かに愛してもらうんじゃなく。


一人で強く、強く、生きていこうと……

そう、決めたんだ。


温もりを求める気持ちにも蓋をして──────




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