プロポーズは突然に。
そのまま歩みを進め、駐車場に停められた車の方に向かっていると律くんがバタバタとこちらへ駆け寄ってくるのが視界に入る。
そのまま私達の前まで来たかと思えば、律くんは申し訳なさそうに顔の前で両手を合わせた。
「ごめんね?気付いてたんだけど、大事な仕事の電話してて助けられなかった。ボディーガード失格だね」
「え?あの…」
「“おねーさんの身も心も、傷付けようとするもの全てから守り抜く”。だよね、兄さん?」
律くんが視線を向けた先にいた彼は、そうだな、と言って頷いた。
ボディーガードって……そういうことなの?
それに、どうして彼がここに?
確かにこのスーパーは彼の会社から近いけど、彼はここに用があるような人間じゃないのに。
そんなことを考えていると、またいつもの射抜くような視線を向けられ、
そして全て見透かしていると言わんばかりに彼がゆっくりと口を開く。
「帰ろうと思って日下に連絡したらここにいるって言ってたから。会社から近いし来てみた」
「そう、なんだ…」
「悪い、ちゃんと守ってやれなかった」
私に視線を落とした彼は、握っていた手の力を強め、眉を顰めながらそんな言葉を紡ぎ出した。